赤木文庫 とうだいき 上 09/17
うちにいり給ふこゝろのうちこそあはれなりさてもなんかいこく
へくたるみちなんしよあまたおほかりきこまのむちをはやめ
てゆくみち廿日あまりとをほへしいくさいさこなかれてそ
うれいはかゝたりこまにはなれて七日ゆきふねにのりつなひ
きのほりゆきみれはへい/\としてちんせきたり四ほう
にきりふりじやうやのやみにことならすたま/\事とふ物
とてたにのふくろみねのさるこらうやかんのこゑはかり月か
さなりてゆくほとにこゝの月と申にはなんかいこくにそつかれ
たりくにのさかひにのそめはにわかにかせふきそうかいみな
きりをちかんせきをうちくたきてんねんみすさかまき
きのはもしつむはかりなり四千万きのせいともはこまを一しよに
たてならへいかにとしてか此かわをわたるへきとてせんきする
そのなかにもれんしは大しやうなれは此よしをきくよりも』
(上四ウ)
あらこと/\しのつわものやそれかしに御まかせ候へとそうひ
やうともを山にいれ大ほくをきりよせていかたを大きにくま
せつゝ四千万きのせいともはゆへなくむかひのきしにそあかり
けるすてにそのひもくれけれはまつこんやはこのやまに
御ちんをとれとありけれはうけたまはると申て四千万きのせいと
もはしはらくいきをそつき給ふとにもかくにもかのれんしの
はかり事のゆゝしき申はかりはなかりけり
とうだいき 二たんめ
さてもそのゝちすてにそのよもほの/\とあけぬれは
四千万きのせいともを一めんにたてならへれんしかそのひの
しやうそくははなやかにこそ見へにけれまつはたにはからあや
ひつちかへきるまゝにひをとしのよろひをきをなしけの五
まいかふとにくわかたうつていくひにき大とうれんのつる』
(上五オ)
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