赤木文庫 とうだいき 上 16/17



し又いくさのならひにていまた此よになからへてましまさん
こゝろにまか〔せ〕□ぬ御ありさまさこそふるさとこひしくをほし
めすへきとおもひまいらせ候なりはゝうへさまとのたまへはみたい
此よしきこしめしたとへいとまをいたすともちゝはてきのその
〔ため〕□□にたちゆき給ふ人にてあり御身そのことてたつねゆか
はいかゝは人ののかすへしはゝを見すてゆくならは三はう
もいかゝまもらせ給ふへしふつたにてんにやうしやうふつの
からひのなりときくなれはゝなくしていかゝほとけもあるへ
からすそのうへによ人のほうする人は三せのしよふつのほうする
とをなし事ときくなりといろ/\とゝめたまひけりれんほ
このよしきくよりもはゝのおほせをかさねてそむくにあ
らねともせけんに申つたへしはたつとくしてむつましから
すむつましくしてたつとからすはゝむつましくしてた』
(上十一ウ)

つとしとうけたまはりて候なりゆみやのいゑにむまれきてちゝ
のゆくゑをたつねさらん事ともはほくせきにことならすもし又
みちのなんしよにてつゆときへてもあるならはちゝの御をんに
ほうせさらんやちゝにたつねあひまいらせはゝもろともに一
しよにすへいきての御をんにほうせんためなりたゝ御いと
まをゆるしたまへとなみたとゝもにのたまひけるかつ御ち
このこゝろのうちのあはれさなにゝたとへんかたもなし
寛永十年五月吉日
燈臺記正本』
(上十二オ)


【表示上の注記】
ブラウザIE5.5以上で縦書きで翻刻文を表示します。
その他は、横表示です。