赤木文庫 とうだいき 下 07/16



のくににてほとけといふなをしらぬなりいつくよりそと人とはは
これよりさいはうしやうととて大きなるせかひありこくらくと
これをいふ一こゑみやうかうとなふれは八十をつこうのつみ
をめつしこせのくわんかなひつゝわうしやうするといふならは
あたひをこきらすこふへきとせんしあらんそのときにちゝ
にかへてとるへきなりたとへはそのほとけてきわうのてに
わたるともなんちにはなれ給ふましとてかきけすやうに
そうせ給ふあはれともなか/\申はかりはなかりけり
とうたいき   五たんめ
あはれなるかなわかきみゆめのさめたるこゝろかなけにやま
ことに御そうのよろつをしへたまひし事ありかたくをほしめ
しちゝの此よになからへてましますよしうけたまはりてあし』
(下五ウ)

もかろくなり給ふこかうのてんもひらくれはくちきのもとをは
又こゆへきとおもひきやあしにまかせてゆくほとになんかいこ
くにそつき給ふたいりのうちをそけんふつすとうさいなん
ほくに四千しやうにしろかねのついちをつきこかねのもんをたて
られてみうちにいりて見たまへはるりはりめのふをちりはめ
きん/\しゆきよくをみかきたてたまのすたれをかけさせやう
らくたまをつらねつゝきんべいのきにすゝなりてかせにした
かひゝきおふこくらくしやうとのしやうこんもこれにはしかし
とみへたりけりみかとのふしにあんないしてほとけうり申さ
んとたつからかによははるなりしんかはこれをきゝしらすそ
のなかにもつうしありてみかとへそうもん申けるみかとゑ
いらんまし/\てまろは大こくのあるしなれとほとけといふ
なをしらぬなりあき人めせとそおほせけるうけたまはるとてれん』
(下六オ)


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