赤木文庫 とうだいき 下 09/16



おするはことはりなりあれこそ一とせさいしやうこくより此くにへ
大しやうにむけられしれんしといへるものなるかやゝともすれは
此くにへたひ/\あしんなるによりをもてのかわをはきとう
たいをうたせつゝそくきとなつけあるそかしいかに/\とあり
けれはれんほ此よしきくよりもいつしかこゝろかはりつゝさか
りまちゆくあさかほのひにあひたるかことくにてたゝしほ/\
とそなり給ふをつるなみたのひまよりもこゝろにおほしめす
やうはさてはみつからこひしゆかしとおもひつゝはる/\たつね
くたりたるさてはちゝにてましますやあらをそろしの御すか
たやいまたたいないにてはなれて候へはもとのすかたはしらねとも
あらなさけなの御ありさまやといつしかをそろしくおもひつ
るにひきかへてなつかしくをほしめしはしりよりてもこれこ
そはたいないにてすてられし御こにては候へと申たくはをもへとも』
(下七ウ)

てきのこゝろをはゝかりてさあらぬていにて申されけるはさ
てはそくきはつみふかきものにてあり此御ほとけと申せしは
しひたい一の人なれは一さいしゆしやうのつみにをつるをかなし
みてまつせのあひた六しのみたをなむあみたふつととなふ
る人わうしやうせさるはなかりけり十こゑ一こゑきらひなくたゝ
ねんふつを申ならはりんじやうのときにはそのきやうしやのせん
こにむかへたまはすはしやうかくをとけしとちかひ給ふしよふつ
はかやうのせいくわんましますねんふつのおやしよふつほさつ
は此しひをもつてしよくわんとこうし給ふなり此とうたいきを
よく見るにむけんのあひちこくにもをとるましされは一百三十
六ちこくにもあみたふつのせいくわんにももろともにをちたま
ひてしゆしやうのくにかはり給ひ六たうのふけの御ちさうも
しやうふそくのすかたにてほのほに身をこかしさいにんのくに』
(下八オ)


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