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赤木文庫について

在野の国文学者である横山重氏(1896-1980)は、50年にわたって説教正本、室町時代物語、古浄瑠璃正本、琉球資料等の調査・収集・翻刻出版を続け、その蔵書である「赤木文庫」は、貴重な善本の揃ったコレクションとして学界に広く知られていました。

大阪大学附属図書館では、この「赤木文庫」旧蔵本のうち、江戸初期から中期にかけての古浄瑠璃及び説教正本、96点を、昭和57年度~58年度に購入しました。それに加えて文学部の信多純一教授(現・名誉教授)から4点の寄贈を受け、コレクションとしてはちょうど100点となっています。 この中には、刊年入り古浄瑠璃正本の最古のものとして知られる「とうだいき」(寛永10年=1633年)をはじめ、他に現物が知られていない「天下の孤本」や保存状態の良好な美本が多く含まれており、きわめて価値の高いコレクションとなっています。

大阪大学附属図書館では平成17年度に文部科学省から特別教育研究経費の配分を受け、この貴重なコレクションを全点電子化しました。従来、大阪大学蔵「赤木文庫」の現物は、図書館本館において貴重書コレクションとして保管・運用され、また、国文学研究資料館にはマイクロフィルムが所蔵され、全国の研究者に提供されてきました。それに加えて今回このような形で電子化データを公開することになり、「赤木文庫」はより広い範囲の利用者に提供できるようになりました。


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