異文化共存への試み : スリランカの権限委譲と言語政策を巡る議論を事例として

中山, 敬

doi:https://doi.org/10.18910/11772

異文化共存への試み : スリランカの権限委譲と言語政策を巡る議論を事例として

中山, 敬

年報人間科学, 1999, 20-1, 177-193

アクセス数:335件（2025-03-26 00:35 集計）

固定URL: https://doi.org/10.18910/11772

閲覧可能ファイル

ファイル	フォーマット	利用条件	サイズ	閲覧回数	利用開始日	説明	information
ahs20-1_177	pdf	なし	955 KB	259	2012.09.22

論文情報

ファイル出力 EndNote Basic出力 Mendeley出力

タイトル	異文化共存への試み : スリランカの権限委譲と言語政策を巡る議論を事例として
	Endeavours Towards the Coexistence of Other Cultures : A case study of the proposals for devolution and the language policy in Sri Lanka
	イブンカキョウゾンヘノココロミスリランカノケンゲンイジョウトゲンゴセイサクオメグルギロンオジレイトシテ
著者	著者名中山, 敬 ; ナカヤマ, ケイ ; Nakayama, Kei
キーワード等	文化
	スリランカ
	権限委譲
	言語
	共存
	culture
	Sri Lanka
	devolution
	language
	coexistence
抄録	スリランカの少数派民族に自治を与える権限委譲やタミル語を公用語化する言語政策を異文化共存への試みと位置づける。スリランカの民族紛争を理解するには、「シンハラ・オンリー」のような少数民族の抑圧につながる政策の考察だけでは不十分である。一九五七年のバンダラナーヤカ・チェルワナーヤガム合意は、のちに撤回されるが、タミル語の公用語化と権限委譲についての合意が成されていた。その後タミル語については教育、行政、法律の分野において使用されることが憲法の中で認められていく。一九八七年の憲法第十三次修正条項によって、タミル語の公用語化と権限委譲が法制化された。しかし、州議会選挙は行われたものの、実際には州議会へ権限が委譲されていかない。その理由は州議会業務の実施が中央政府と大統領の意向に左右されるように憲法第十三次修正条項が定められていたからである。現政権も「民族紛争」解決の手段として権限委譲を提案しているが、武力による闘争が続く状況では、権限委譲が実施されたとしても「民族紛争」が終わる保証はない。異文化共存への試みはそれぞれの「文化」の主張を認めることであり、それは差異が強調されることであって逆に対立を招くことにもつながる。しかし、対立する「文化」がつくられてきた過程とともに、「文化」を共存させる試みもまた文化の問題である。
出版者	大阪大学人間科学部社会学・人間学・人類学研究室
出版者	オオサカダイガクニンゲンカガクブシャカイガクニンゲンガクジンルイガクケンキュウシツ
収録物名	年報人間科学
収録物名	Annals of human sciences
巻(号)	20-1
ページ	177-193
刊行年月	1999
言語	日本語
言語	英語
ハンドルURL	https://hdl.handle.net/11094/11772
DOI	https://doi.org/10.18910/11772
PISSN	02865149
NCID	AN0020011X
アクセス権	open access
出版タイプ	Version of Record
カテゴリ	紀要論文 Departmental Bulletin Paper
カテゴリ	年報人間科学 / 第20号第1分冊

資源タイプ	紀要論文
ローカル資源タイプ	紀要論文
DCMI資源タイプ	text
DCTERMS.bibliographicCitation	年報人間科学. 1999, 20-1, p. 177-193
DC.title	異文化共存への試み : スリランカの権限委譲と言語政策を巡る議論を事例として
	Endeavours Towards the Coexistence of Other Cultures : A case study of the proposals for devolution and the language policy in Sri Lanka
	イブンカキョウゾンヘノココロミスリランカノケンゲンイジョウトゲンゴセイサクオメグルギロンオジレイトシテ
DC.creator	中山, 敬
	ナカヤマ, ケイ
	Nakayama, Kei
DC.publisher	大阪大学人間科学部社会学・人間学・人類学研究室
DC.publisher	オオサカダイガクニンゲンカガクブシャカイガクニンゲンガクジンルイガクケンキュウシツ
DC.language' scheme='DCTERMS.RFC1766	日本語
DC.language' scheme='DCTERMS.RFC1766	英語
DC.type' scheme='DCTERMS.DCMIType	text
DCTERMS.issued' scheme='DCTERMS.W3CDTF	1999
DC.subject	文化
	スリランカ
	権限委譲
	言語
	共存
	culture
	Sri Lanka
	devolution
	language
	coexistence
DCTERMS.abstract	スリランカの少数派民族に自治を与える権限委譲やタミル語を公用語化する言語政策を異文化共存への試みと位置づける。スリランカの民族紛争を理解するには、「シンハラ・オンリー」のような少数民族の抑圧につながる政策の考察だけでは不十分である。一九五七年のバンダラナーヤカ・チェルワナーヤガム合意は、のちに撤回されるが、タミル語の公用語化と権限委譲についての合意が成されていた。その後タミル語については教育、行政、法律の分野において使用されることが憲法の中で認められていく。一九八七年の憲法第十三次修正条項によって、タミル語の公用語化と権限委譲が法制化された。しかし、州議会選挙は行われたものの、実際には州議会へ権限が委譲されていかない。その理由は州議会業務の実施が中央政府と大統領の意向に左右されるように憲法第十三次修正条項が定められていたからである。現政権も「民族紛争」解決の手段として権限委譲を提案しているが、武力による闘争が続く状況では、権限委譲が実施されたとしても「民族紛争」が終わる保証はない。異文化共存への試みはそれぞれの「文化」の主張を認めることであり、それは差異が強調されることであって逆に対立を招くことにもつながる。しかし、対立する「文化」がつくられてきた過程とともに、「文化」を共存させる試みもまた文化の問題である。
DC.identifier	10.18910/11772
DC.format	11772
citation_title	異文化共存への試み : スリランカの権限委譲と言語政策を巡る議論を事例として
citation_author	中山, 敬
citation_publisher	大阪大学人間科学部社会学・人間学・人類学研究室
citation_language	日本語
citation_language	英語
citation_date	1999
citation_journal_title	年報人間科学
citation_volume	20-1
citation_firstpage	177
citation_lastpage	193
citation_public_url	https://hdl.handle.net/11094/11772
citation_doi_detail	10.18910/11772
citation_doi	https://doi.org/10.18910/11772

異文化共存への試み : スリランカの権限委譲と言語政策を巡る議論を事例として

閲覧可能ファイル

論文情報

論文詳細を表示