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(
2022-08-10
17:50 集計
)
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論文情報
タイトル
近世日本米市場の制度的基礎 : 取引統治機構を中心として
別タイトル
Traditional financing and distant trades duringmodernization process of financial industry : a case of Yamaguchi prefecture in the 1870s.
タイトル (ヨミ)
キンダイ ニホン コメ シジョウ ノ セイドテキ キソ トリヒキ トウチ キコウ ヲ チュウシン ト シテ
著者
高槻, 泰郎
高槻, 泰郎
著者の別表記
Takatsuki, Yasuo
著者 (ヨミ)
タカツキ, ヤスオ
キーワード等
近世日本経済史
堂島米会所
先物取引
抄録
本稿は,近世期最大の領主米市場であった堂島米会所を対象として,取引の円滑な履行を担保する取引統治機構の形成過程を明らかにすることを課題とする.享保15(1730)年に公許され,明治2(1869)年に幕を閉じるまで,領主米流通の結節点に位置する市場として機能していた堂島米会所については,これまで様々な視角から分析が進められてきた.しかし,既存の研究においては,堂島米会所にて「結果として」実現した制度を描くことに主眼が置かれており,制度が形成される過程,とりわけ取引の円滑な履行を担保する制度がいかにして形成されてきたのかについては,具体的な説明が与えられてこなかった.そこで本稿では,堂島米会所における取引の根幹である米切手の取引に着目し,その安全かつ円滑な履行がいかにして担保されるに至ったのかを,とりわけ,財産権の保護,契約の自由,市場の流動性の担保,という3 つの側面から検証することとした.その結果,米切手の資産としての安全性,すなわち米切手の現物への確実な兌換は,米商人と江戸幕府の双方による,自覚的な制度設計によって担保されていたことが明らかとなった.また,1 対1 の現物取引に付随した契約不履行のリスクを,取引を清算機関に集約することによって回避していたこと,そして市場における流動性リスクを,最も流動性が高い銘柄に取引を集中させることによって回避していたことが明らかとなった.その帰結が,堂島米会所における先物取引であった.そしてその先物取引においては,現物決済を許容することによって,現先両市場間の裁定を促し,円滑な決済の履行を担保していたことが明らかとなった.
* Revised: [07-44, 2007]
公開者
Graduate School of Economics and Osaka School of International Public Policy (OSIPP) Osaka University
更新日付
2008-02
掲載誌名
Discussion Papers In Economics And Business
巻
07-44-Rev.
刊行年月
2008-02
URL
http://hdl.handle.net/11094/13333
関連情報 (references)
http://www2.econ.osaka-u.ac.jp/library/global/dp/0744R.pdf
言語
日本語
カテゴリ
ディスカッション/ワーキング・ペーパー DP/WP
Discussion Papers In Economics And Business
論文詳細を表示
著者版フラグ
none
NII資源タイプ
テクニカルレポート
ローカル資源タイプ
ディスカッション/ワーキング・ペーパー
dcmi資源タイプ
text
DCTERMS.bibliographicCitation
Discussion Papers In Economics And Business.07-44-Rev.
DC.title
近世日本米市場の制度的基礎 : 取引統治機構を中心として
DCTERMS.alternative
Traditional financing and distant trades duringmodernization process of financial industry : a case of Yamaguchi prefecture in the 1870s.
DC.creator
高槻, 泰郎
DC.creator
Takatsuki, Yasuo
DC.publisher
Graduate School of Economics and Osaka School of International Public Policy (OSIPP) Osaka University
DC.language" scheme="DCTERMS.RFC1766
日本語
DCTERMS.issued" scheme="DCTERMS.W3CDTF
2008-02
DC.identifier" scheme="DCTERMS.URI
http://hdl.handle.net/11094/13333
DC.subject
近世日本経済史
堂島米会所
先物取引
DCTERMS.abstract
本稿は,近世期最大の領主米市場であった堂島米会所を対象として,取引の円滑な履行を担保する取引統治機構の形成過程を明らかにすることを課題とする.享保15(1730)年に公許され,明治2(1869)年に幕を閉じるまで,領主米流通の結節点に位置する市場として機能していた堂島米会所については,これまで様々な視角から分析が進められてきた.しかし,既存の研究においては,堂島米会所にて「結果として」実現した制度を描くことに主眼が置かれており,制度が形成される過程,とりわけ取引の円滑な履行を担保する制度がいかにして形成されてきたのかについては,具体的な説明が与えられてこなかった.そこで本稿では,堂島米会所における取引の根幹である米切手の取引に着目し,その安全かつ円滑な履行がいかにして担保されるに至ったのかを,とりわけ,財産権の保護,契約の自由,市場の流動性の担保,という3 つの側面から検証することとした.その結果,米切手の資産としての安全性,すなわち米切手の現物への確実な兌換は,米商人と江戸幕府の双方による,自覚的な制度設計によって担保されていたことが明らかとなった.また,1 対1 の現物取引に付随した契約不履行のリスクを,取引を清算機関に集約することによって回避していたこと,そして市場における流動性リスクを,最も流動性が高い銘柄に取引を集中させることによって回避していたことが明らかとなった.その帰結が,堂島米会所における先物取引であった.そしてその先物取引においては,現物決済を許容することによって,現先両市場間の裁定を促し,円滑な決済の履行を担保していたことが明らかとなった.
* Revised: [07-44, 2007]
citation_title
近世日本米市場の制度的基礎 : 取引統治機構を中心として
citation_author
高槻, 泰郎
citation_publisher
Graduate School of Economics and Osaka School of International Public Policy (OSIPP) Osaka University
citation_language
日本語
citation_date
2008-02
citation_journal_title
Discussion Papers In Economics And Business
citation_volume
07-44-Rev.
citation_public_url
http://hdl.handle.net/11094/13333
citation_keywords
近世日本経済史
堂島米会所
先物取引