女性エリートはなぜ少ないか : ある大企業の女性役職者の事例から

冠野, 文

大阪大学教育学年報, 1997, 2, 93-106

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タイトル
女性エリートはなぜ少ないか : ある大企業の女性役職者の事例から
Why Elite Women Are Few ? : A Case Study of a Woman Executive in a Big Corporation
ジョセイエリート ハ ナゼ スクナイ カ アル ダイキギョウ ノ ジョセイ ヤクショクシャ ノ ジレイ カラ
著者
NRID
1000080294601 1000080294601
著者名
冠野, 文 ; カンノ, フミ ; Kanno, Fumi
抄録
女性がエリートポジションにきわめて少ないことはどの領域でも共通しているが、とりわけ女性の輩出が少ないのが大企業の上位役職者である。本稿では、大企業の上位役職者のキャリアを通して、大企業という場が女性の輩出とどう関連しているかを考察する。その際、当の組織においてエリートポジションへ到達する過程で必要となる資源を総称して「パワー」という概念で捉え、女性役職者のキャリア展開をパワーと関連させて分析を試みている。女性がエリートポジションにほとんど現われないのは、パワーから疎外されているからである。パワーへの経路を開く第一は機会であるが、大企業で行なわれてきたかなり厳格な性による差別処遇が女性の機会を見通しのないものとしている。このことから、女性の意欲や野心はしばしば冷却され、機会を得た少数の女性のみがパワーへの接近を許されている。とはいえ、機会とパワーとが相乗的にうみだす果実を女性が得るには困難がある。それが、とりわけ組織上層での圧倒的な女性の少なさ、つまり数のアンバランスが少数派である女性らにパワーを浪費させ、前進への活力を奪いがちだという問題である。
出版者
大阪大学人間科学部教育学研究室
オオサカ ダイガク ニンゲン カガクブ キョウイクガク ケンキュウシツ
Department of Education, Faculty of Human Sciences, Osaka University
収録物名
大阪大学教育学年報
Annals of educational studies, Osaka University
巻(号)
2
ページ
93-106
刊行年月
1997-03
言語
日本語
ハンドルURL
https://hdl.handle.net/11094/4636
DOI
https://doi.org/10.18910/4636
PISSN
13419595
NCID
AN1055404X
アクセス権
open access
出版タイプ
Version of Record
カテゴリ
紀要論文 Departmental Bulletin Paper
大阪大学教育学年報 / Vol.2