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2022-06-27
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https://doi.org/10.18910/4726
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ahs21_057
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532
論文情報
タイトル
動物と人間-文明批評の視点から- : (その二)仏教に見る動物観-阿含経を中心として-
別タイトル
Tier and Mensch-Unter einem Gesichtspunkt der Zivilizationskritik- : Teil2. Tieranschauung im Buddhismus-Sutta-pitaka als Mittelpunkt-
タイトル (ヨミ)
ドウブツ ト ニンゲン ブンメイ ヒハン ノ シテン カラ ソノ2 ブッキョウ ニ ミル ドウブツカン アゴンキョウ オ チュウシン トシテ
著者
宮田, 敦子
宮田, 敦子
著者の別表記
Miyata, Atsuko
著者 (ヨミ)
ミヤタ, アツコ
キーワード等
動物
仏教
慈悲
犠牲
殺生
Tier
Buddhisumus
Mitleid
Opferung
Töten des Lebewesens
抄録
キリスト教においては、動物は人間が支配するための存在でしかなかったが、仏教では動物はどのように扱われているのだろうか?旧約聖書に記された「モーゼの十戒」中の「汝殺すなかれ」は専ら人間の殺害を禁ずるものであったが、それに相当する仏教の「不殺生戒」は人間のみならず、一切衆生、人間にとって危険な動物さえその対象とし、仏教ではそれらの生き物に対する慈悲の心も説かれている。菩薩に到っては、最終的には生けるもののために自己を犠牲にすることさえ求められている。こうした理念は、因果応報、輪廻転生の思想ばかりでなく、「他者への思いやり」の心から生まれた。この、生けるものへの「慈しみの心」は、他者を自分より一段下に見る「憐れみの心」とは別物である。キリスト教が「愛」を説くのに対し、仏教は「慈悲」を説くと言われるが、「慈」とはサンスクリットの「友」からきた言葉であり、「悲」は同じくサンスクリットの「呻き」からきており、呻き苦しむ者と一緒になって共感する行為のことだという。つまり、仏教は生きとし生けるものを「友」と見なし、人間だけを決して特別視せず、他の生けるものと同列に置いているのである。従って動物にも人間同様、救済への道は開かれているし、宗教的意義も認められている。仏教は、そうした生けるものすべての苦しみを共感する宗教であり、「動物に対する人間の独善的なうぬぼれ」を脱しようとするなら、極めて大きな示唆を与えてくれるように思う。
公開者
大阪大学人間科学部社会学・人間学・人類学研究室
公開者 (ヨミ)
オオサカ ダイガク ニンゲン カガクブ シャカイガク ニンゲンガク ジンルイガク ケンキュウシツ
掲載誌名
年報人間科学
巻
21
開始ページ
57
終了ページ
75
刊行年月
2000
ISSN
02865149
NCID
AN0020011X
URL
http://hdl.handle.net/11094/4726
言語
日本語
ドイツ語
DOI
info:doi/10.18910/4726
カテゴリ
紀要論文 Departmental Bulletin Paper
年報人間科学 / 第21号
論文詳細を表示
著者版フラグ
publisher
NII資源タイプ
紀要論文
ローカル資源タイプ
紀要論文
dcmi資源タイプ
text
DCTERMS.bibliographicCitation
年報人間科学.21 P.57-P.75
DC.title
動物と人間-文明批評の視点から- : (その二)仏教に見る動物観-阿含経を中心として-
DCTERMS.alternative
Tier and Mensch-Unter einem Gesichtspunkt der Zivilizationskritik- : Teil2. Tieranschauung im Buddhismus-Sutta-pitaka als Mittelpunkt-
DC.creator
宮田, 敦子
DC.creator
Miyata, Atsuko
DC.publisher
大阪大学人間科学部社会学・人間学・人類学研究室
DC.language" scheme="DCTERMS.RFC1766
日本語
ドイツ語
DCTERMS.issued" scheme="DCTERMS.W3CDTF
2000
DC.identifier" scheme="DCTERMS.URI
http://hdl.handle.net/11094/4726
DC.subject
動物
仏教
慈悲
犠牲
殺生
Tier
Buddhisumus
Mitleid
Opferung
Töten des Lebewesens
DCTERMS.abstract
キリスト教においては、動物は人間が支配するための存在でしかなかったが、仏教では動物はどのように扱われているのだろうか?旧約聖書に記された「モーゼの十戒」中の「汝殺すなかれ」は専ら人間の殺害を禁ずるものであったが、それに相当する仏教の「不殺生戒」は人間のみならず、一切衆生、人間にとって危険な動物さえその対象とし、仏教ではそれらの生き物に対する慈悲の心も説かれている。菩薩に到っては、最終的には生けるもののために自己を犠牲にすることさえ求められている。こうした理念は、因果応報、輪廻転生の思想ばかりでなく、「他者への思いやり」の心から生まれた。この、生けるものへの「慈しみの心」は、他者を自分より一段下に見る「憐れみの心」とは別物である。キリスト教が「愛」を説くのに対し、仏教は「慈悲」を説くと言われるが、「慈」とはサンスクリットの「友」からきた言葉であり、「悲」は同じくサンスクリットの「呻き」からきており、呻き苦しむ者と一緒になって共感する行為のことだという。つまり、仏教は生きとし生けるものを「友」と見なし、人間だけを決して特別視せず、他の生けるものと同列に置いているのである。従って動物にも人間同様、救済への道は開かれているし、宗教的意義も認められている。仏教は、そうした生けるものすべての苦しみを共感する宗教であり、「動物に対する人間の独善的なうぬぼれ」を脱しようとするなら、極めて大きな示唆を与えてくれるように思う。
DC.identifier
info:doi/10.18910/4726
citation_title
動物と人間-文明批評の視点から- : (その二)仏教に見る動物観-阿含経を中心として-
citation_author
宮田, 敦子
citation_publisher
大阪大学人間科学部社会学・人間学・人類学研究室
citation_language
日本語
ドイツ語
citation_date
2000
citation_journal_title
年報人間科学
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citation_public_url
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仏教
慈悲
犠牲
殺生
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Buddhisumus
Mitleid
Opferung
Töten des Lebewesens
citation_doi
info:doi/10.18910/4726