有意性理論における「記述」と「解釈」 : 言語的コミュニケーションの非言語的側面

能川, 元一

doi:https://doi.org/10.18910/4985

有意性理論における「記述」と「解釈」 : 言語的コミュニケーションの非言語的側面

能川, 元一

年報人間科学, 1994, 15, 53-66

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タイトル	有意性理論における「記述」と「解釈」 : 言語的コミュニケーションの非言語的側面
	Description and "Interpretation" in relevance theory : non-verbal aspects of verbal communication
	ユウイセイリロンニオケルキジュツトカイシャクゲンゴテキコミュニケーションノヒゲンゴテキソクメン
著者	NRID 1000010283714 1000010283714 著者名能川, 元一
キーワード等	有意性
	関連性
	コミュニケーショソ
	解釈
	記号
	relevance
	communication
	interpretation
	symbol
抄録	スペルベルとウィルソンは、言語的コミュニケーションにおける聞き手の発言解釈を、一種の推論処理としてモデル化した。有意性(関連性) 理論と呼ばれる彼らのモデルによれば、聞き手はまず話者の発言を概念的な心的表現へと変換し、次いでこの概念的表現に推論処理が加えられることになる。さらに有意性理論は、非言語的コミュニケーションをもカヴァーするような、一般理論として構想されている。だが、非言語的記号が概念的表現へと変換されるメカニズムについて、彼らが十分な考察を加えているとは言い難い。さらに言えば、非言語的記号の解釈という問題は、言語的コミュニケーションの事例においてすら生じうるものである。有意性理論は言語の「記述」的使用と区別して、言語の「解釈」的使用という概念を導入し、それによってアイロニーをはじめとするさまざまな言語現象にメスを入れようとした。だが解釈的表現は、発言と何か別の表現(思考や他の発言を含む)との間の、命題形式の類似に基づいた表現である。したがって、言語の記述的な使用とは異なり、言語的コード解読とは別のメカニズムで概念的表現へと変換され、解釈されるはずである。有意性理論をスペルベルらの自負にみあった理論へとしあげてゆくためには、非言語的な記号のはたらきとその解釈プロセスとの解明に、有意性という概念を基礎として積極的にとりくむ必要があろう。
出版者	大阪大学人間科学部社会学・人間学・人類学研究室
出版者	オオサカダイガクニンゲンカガクブシャカイガクニンゲンガクジンルイガクケンキュウシツ
収録物名	年報人間科学
収録物名	Annals of human sciences
巻(号)	15
ページ	53-66
刊行年月	1994
言語	日本語
言語	英語
ハンドルURL	https://hdl.handle.net/11094/4985
DOI	https://doi.org/10.18910/4985
PISSN	02865149
NCID	AN0020011X
アクセス権	open access
出版タイプ	Version of Record
カテゴリ	紀要論文 Departmental Bulletin Paper
カテゴリ	年報人間科学 / 第15号

資源タイプ	紀要論文
ローカル資源タイプ	紀要論文
DCMI資源タイプ	text
DCTERMS.bibliographicCitation	年報人間科学. 1994, 15, p. 53-66
DC.title	有意性理論における「記述」と「解釈」 : 言語的コミュニケーションの非言語的側面
	Description and "Interpretation" in relevance theory : non-verbal aspects of verbal communication
	ユウイセイリロンニオケルキジュツトカイシャクゲンゴテキコミュニケーションノヒゲンゴテキソクメン
DC.creator	能川, 元一
DC.publisher	大阪大学人間科学部社会学・人間学・人類学研究室
DC.publisher	オオサカダイガクニンゲンカガクブシャカイガクニンゲンガクジンルイガクケンキュウシツ
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DCTERMS.abstract	スペルベルとウィルソンは、言語的コミュニケーションにおける聞き手の発言解釈を、一種の推論処理としてモデル化した。有意性(関連性) 理論と呼ばれる彼らのモデルによれば、聞き手はまず話者の発言を概念的な心的表現へと変換し、次いでこの概念的表現に推論処理が加えられることになる。さらに有意性理論は、非言語的コミュニケーションをもカヴァーするような、一般理論として構想されている。だが、非言語的記号が概念的表現へと変換されるメカニズムについて、彼らが十分な考察を加えているとは言い難い。さらに言えば、非言語的記号の解釈という問題は、言語的コミュニケーションの事例においてすら生じうるものである。有意性理論は言語の「記述」的使用と区別して、言語の「解釈」的使用という概念を導入し、それによってアイロニーをはじめとするさまざまな言語現象にメスを入れようとした。だが解釈的表現は、発言と何か別の表現(思考や他の発言を含む)との間の、命題形式の類似に基づいた表現である。したがって、言語の記述的な使用とは異なり、言語的コード解読とは別のメカニズムで概念的表現へと変換され、解釈されるはずである。有意性理論をスペルベルらの自負にみあった理論へとしあげてゆくためには、非言語的な記号のはたらきとその解釈プロセスとの解明に、有意性という概念を基礎として積極的にとりくむ必要があろう。
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有意性理論における「記述」と「解釈」 : 言語的コミュニケーションの非言語的側面

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