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2021-03-05
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23-03
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論文情報
タイトル
方言の推量形式における意味変化 : 談話的機能へ
別タイトル
Semantic change of conjectural forms in dialects of Japanese : To discourse function
タイトル (ヨミ)
ホウゲン ノ スイリョウ ケイシキ ニオケル イミ ヘンカ ダンワテキ キノウ ヘ
著者
白岩, 広行
白岩, 広行
著者の別表記
Shiraiwa, Hiroyuki
著者 (ヨミ)
シライワ, ヒロユキ
キーワード等
推量
確認要求
通時的変化
終助詞化
抄録
本稿では、愛知県岡崎市方言、静岡県静岡市方言、神奈川県茅ヶ崎市方言におけるそれぞれの推量形式ダラ、ラ、「ベ」を対象とし、それらの形式が、「推量」(および「疑い」)という命題に対する話し手の態度を示す用法では使われにくくなり、「確認要求」という談話的な機能に使用がかたよってゆくことを取り上げて議論をおこなった。いずれの推量形式も、明治・大正生まれ世代のことばを記録した談話資料・民話資料では推量用法といえる例が見られるものの、現在の若年層にあたる昭和50 ~ 60 年代生まれ世代では、推量用法での使用がおおむね不自然なものと内省されるようになっている。具体的には、生起位置は文末にかぎられ、終助詞ナとの共起も不自然なものとされるようになる。一方、確認要求用法では若年層でも変わらず使用が認められる(3 節)。これと似た傾向は、標準語のダロウについても計量的な報告がすでにあり(土岐2002)、推量体系が命題から切り離された、より主観的なものになるという古代語からの変化(山口1991)を考えても、推量形式が談話的な機能(具体的には確認要求用法)へ移行しつつあるという流れが、方言をふくめた日本語の推量形式全体に関わる変化として推測される(4.1 節)。同様に、推量形式の通時的変化としてこれまで指摘されている、近代語のいわゆる「分析的傾向」(田中1965)や、東日本方言における「ベ」の前接形式への接続の単純化(井上1985:ch.11)なども、談話的機能へという意味変化とつながりあった事象として位置づけられる(4.2-3 節)。
公開者
大阪大学大学院文学研究科日本語学講座
公開者 (ヨミ)
オオサカ ダイガク ダイガクイン ブンガグ ケンキュウカ ニホンゴガク コウザ
掲載誌名
阪大日本語研究
巻
23
開始ページ
57
終了ページ
77
刊行年月
2011-02
ISSN
09162135
NCID
AN10106606
URL
http://hdl.handle.net/11094/6730
言語
日本語
カテゴリ
紀要論文 Departmental Bulletin Paper
阪大日本語研究 / 第23号
論文詳細を表示
著者版フラグ
publisher
NII資源タイプ
紀要論文
ローカル資源タイプ
紀要論文
dcmi資源タイプ
text
DCTERMS.bibliographicCitation
阪大日本語研究.23 P.57-P.77
DC.title
方言の推量形式における意味変化 : 談話的機能へ
DCTERMS.alternative
Semantic change of conjectural forms in dialects of Japanese : To discourse function
DC.creator
白岩, 広行
DC.creator
Shiraiwa, Hiroyuki
DC.publisher
大阪大学大学院文学研究科日本語学講座
DC.language" scheme="DCTERMS.RFC1766
日本語
DCTERMS.issued" scheme="DCTERMS.W3CDTF
2011-02
DC.identifier" scheme="DCTERMS.URI
http://hdl.handle.net/11094/6730
DC.subject
推量
確認要求
通時的変化
終助詞化
DCTERMS.abstract
本稿では、愛知県岡崎市方言、静岡県静岡市方言、神奈川県茅ヶ崎市方言におけるそれぞれの推量形式ダラ、ラ、「ベ」を対象とし、それらの形式が、「推量」(および「疑い」)という命題に対する話し手の態度を示す用法では使われにくくなり、「確認要求」という談話的な機能に使用がかたよってゆくことを取り上げて議論をおこなった。いずれの推量形式も、明治・大正生まれ世代のことばを記録した談話資料・民話資料では推量用法といえる例が見られるものの、現在の若年層にあたる昭和50 ~ 60 年代生まれ世代では、推量用法での使用がおおむね不自然なものと内省されるようになっている。具体的には、生起位置は文末にかぎられ、終助詞ナとの共起も不自然なものとされるようになる。一方、確認要求用法では若年層でも変わらず使用が認められる(3 節)。これと似た傾向は、標準語のダロウについても計量的な報告がすでにあり(土岐2002)、推量体系が命題から切り離された、より主観的なものになるという古代語からの変化(山口1991)を考えても、推量形式が談話的な機能(具体的には確認要求用法)へ移行しつつあるという流れが、方言をふくめた日本語の推量形式全体に関わる変化として推測される(4.1 節)。同様に、推量形式の通時的変化としてこれまで指摘されている、近代語のいわゆる「分析的傾向」(田中1965)や、東日本方言における「ベ」の前接形式への接続の単純化(井上1985:ch.11)なども、談話的機能へという意味変化とつながりあった事象として位置づけられる(4.2-3 節)。
citation_title
方言の推量形式における意味変化 : 談話的機能へ
citation_author
白岩, 広行
citation_publisher
大阪大学大学院文学研究科日本語学講座
citation_language
日本語
citation_date
2011-02
citation_journal_title
阪大日本語研究
citation_volume
23
citation_firstpage
57
citation_lastpage
77
citation_issn
09162135
citation_public_url
http://hdl.handle.net/11094/6730
citation_keywords
推量
確認要求
通時的変化
終助詞化