紀要論文

紀要論文

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外国語教育のフロンティア. 2020, 3, p. 183-192

ウルドゥー語

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2020-03-30

教材研究

外国人学生に未知の言語を教授するにあたって重要な問題は教材の選定である。どこの国でも、初等教育のために用いられる教材とは、その国での年少者に向けたものである。しかし、外国人学生というのは大学等教育機関で学んでおり、こうした初等教育の教材は適当ではない。大学生の精神的年齢や知識を考慮するとき、その精神年齢に応じた教材を選定する必要がある。また、外国語習得とは、単に言語を学ぶだけでなく、その言語による文学等、社会全般についての知識を深めることになる。したがって現地語の文学作品を通読すればよいのであるが、そうした文学作品は現地語の外国語教育を目的として執筆されていないため、外国人学生にとっては読解が困難となる。同様に、韻文や散文、歴史や社会に関する文献も、その内容は大学生の知的レベルに沿うものではあるものの、言語そのものは難解となっている。日本人学生がウルドゥー語を学ぶ上でも、このような問題に直面する。文学をはじめとする様々な主題の作品は、初修の外国人学生の語学力を上回っているのである。このため、日本人学生はこうした文献の恩恵を被ることが困難となっている。その一方で、こうした文学作品に関する知識や、社会に関する様々な情報の習得は大学生にとって必須のものなのである。この問題を解決するにあたっては、こうした文学や社会に関する情報について、内容は維持しつつも、平易かつ簡明なウルドゥー語によって再構成された教材を執筆することが必要と考えられる。こうした教材の執筆にあたっては、教員側が学生の関心をくみ取りつつ、ウルドゥー文学の重要な主題を選定し、簡明な文体によって書いた文章をまず黒板に書き、これを学生の読み聞かせたうえで、覚えさせる、ということが考えられる。本稿では、教材の事例として、ウルドゥー文学史上重要な主題であるウルドゥー近代散文の進展のきっかけを作ったと評価される「フォート・ウィリアム・カレッジ（1800 年創立）」と、19 世紀後半、イギリス植民地下においてインド・ムスリムの近代化運動として起こった「アリーガル運動」の指導者であるサル・サイイド・アフマド・ハーン（1817-98）についての筆者が作成した文を紹介する。

10.18910/75634

75634

غیرملکی طلبا کی تدریس کے لیے متن کے ا نتخاب کا مسئلہ

Tahir, Marghoob Hussain

大阪大学大学院言語文化研究科

ウルドゥー語

2020-03-30

外国語教育のフロンティア

3

183

192

https://hdl.handle.net/11094/75634

10.18910/75634

https://doi.org/10.18910/75634