紀要論文

紀要論文

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大阪外国語大学論集. 2000, 23, p. 149-169

Уэхара, Джуничи

大阪外国語大学

ロシア語

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2000-09-29

この研究ノートは筆者がロシア語の動詞派生の名詞、主に動作名詞を中心とする語類を考察する前段階として書いた先行研究の概略である。ロシア語の動詞派生の動作名詞は、おもに2つの点で研究されてきた。まず第1は、動詞が文の中核をなし、動作名詞がその名詞化形式であることから、文と動作名詞の統語的・意味的関連の研究である。ここでは特に、動詞の動作、状態、出来事などの意味(過程的意味процессуальное знауениеと言われる)が注目されている。ロシア語の動作名詞は、辞書では、典型的には「基体動詞の意味による」と記述されている。これは日本語流に書けば「歩き=歩くこと」となる。この枠組みでは動作名詞は語彙論としてよりは統語論や文の意味論からのアプローチが発達してきた。第2は、第1の側面よりはあまり研究が進んでいないと思われるが、この種の名詞における動作以外の意味(非過程的意味あるいは物体的意味предметное значение)の発展に関する研究である。基体である動詞との派生関係や接尾辞に依存する意味の違いが中心に議論が進んできたが、動詞をとりまく行為項が非過程的意味の基盤であると考えられている。これら2つの側面はいずれも、名詞よりは、この語類の基体である動詞に比重を置いた研究である。しかし、動作名詞は実際には上記以外のさまざまな意味を表しうる。ロシア語の動作名詞が総合的にどのような意味をもつのかという、語彙としての意味論研究がこれから期待されるであろう。研究ノートの最後には文献を記した。ここには本文中に引用したもの以外に主要な論文をリストアップしている。

79837

Абстрактное отглагольное существительное в русском языке : история вопроса

Уэхара, Джуничи

大阪外国語大学

ロシア語

2000-09-29

大阪外国語大学論集

23

149

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https://hdl.handle.net/11094/79837