ドキュメンタリーと知の快楽 : 番組制作実践の考察から

丹羽, 美之

doi:https://doi.org/10.18910/9041

ドキュメンタリーと知の快楽 : 番組制作実践の考察から

丹羽, 美之

年報人間科学, 2000, 21, 243-264

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ファイル	フォーマット	利用条件	サイズ	閲覧回数	利用開始日	説明	information
ahs21_243	pdf	なし	1.07 MB	738	2012.09.22

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タイトル	ドキュメンタリーと知の快楽 : 番組制作実践の考察から
	Documentary and Pleasure in Knowing
	ドキュメンタリートチノカイラクバングミセイサクジッセンノコウサツカラ
著者	NRID 1000000366824 1000000366824 著者名丹羽, 美之 ; Niwa, Yoshiyuki
キーワード等	ドキュメンタリー
	視線
	文化的他者
	テレビ的ヒューマニズム
	知の快楽
	documentary
	look
	cultural others
	televisual humanism
	pleasure in knowing
抄録	本稿の目的は、女性の社会進出をテーマにした、あるテレビ・ドキュメンタリー番組の制作実践についてのエスノグラフィックな記述から、ドキュメンタリーにおける文化的他者の表象をめぐる視線の政治学について考察を展開することにある。男性中心の職場に進出した女性のイメージはメディアを含めた周囲の人々によってどのように生産・消費されるのか。また、それらが私たちの思考の様式や眼差しの構造といったものの構成にどのように関わっているのかを明らかにする。そこでは、女性を可視化し、差異を強調し、そして類似性のもとに回収する眼差しの作用が論じられる。分析の対象とするのは本稿の筆者がNHK勤務時代(一九九七年) に制作した二八分のドキュメンタリー番組である。まず2節ではドキュメンタリー番組の制作実践を考察することの意義が、人類学やメディア論の知見を参照しながら述べられる。3節では自作の番組を分析することについて観察者の視点の問題が反省的に語られる。そして4節以下で、ディレクターの仕事のおおまかな流れにしたがって実証的分析が展開される。本稿で明らかにされる眼差しの問題は、女性の社会進出というテーマを越えて、個人が差異と類似性を通じて自分自身と文化的他者をどのように見分け、「知る」のかというドキュメンタリー一般の問題へと接続されていく。ドキュメンタリーはパブリックな文化(均質な広がりとして想像される「みんな」「私たち」) の構成と密接に関わっている。本論文によって、文化的他者の矛盾や葛藤を知り、それに共感したいと欲する「私たち」の知をめぐる欲望の様態が明らかになる。
抄録	Documentary texts are one primary source of encounters with cultural others. Both producers and viewers construct understandings of themselves and others through these encounters. Then they take part in `politics of look'. In this article, I examine, by an ethnographic study of the production of a NHK television documentary, how practices of producing and consuming documentary form contribute to the constitution of ‘public’ culture. Firstly I point out the value of an ethnographic approach to the study of documentary production. Secondly I argue reflexively the limits and possibilities of my examining the documentary which I myself once produced. Finally I provide a detailed description of the documentary production process itself : researching, drafting, shooting and postproduction. Through these examinations, I suggest documentary has a strong effect on our social imagination and sense of cultural identity by providing a `pleasure in knowing'
出版者	大阪大学人間科学部社会学・人間学・人類学研究室
出版者	オオサカダイガクニンゲンカガクブシャカイガクニンゲンガクジンルイガクケンキュウシツ
収録物名	年報人間科学
収録物名	Annals of human sciences
巻(号)	21
ページ	243-264
刊行年月	2000
言語	日本語
言語	英語
ハンドルURL	https://hdl.handle.net/11094/9041
DOI	https://doi.org/10.18910/9041
PISSN	02865149
NCID	AN0020011X
アクセス権	open access
出版タイプ	Version of Record
カテゴリ	紀要論文 Departmental Bulletin Paper
カテゴリ	年報人間科学 / 第21号

資源タイプ	紀要論文
ローカル資源タイプ	紀要論文
DCMI資源タイプ	text
DCTERMS.bibliographicCitation	年報人間科学. 2000, 21, p. 243-264
DC.title	ドキュメンタリーと知の快楽 : 番組制作実践の考察から
	Documentary and Pleasure in Knowing
	ドキュメンタリートチノカイラクバングミセイサクジッセンノコウサツカラ
DC.creator	丹羽, 美之
DC.creator	Niwa, Yoshiyuki
DC.publisher	大阪大学人間科学部社会学・人間学・人類学研究室
DC.publisher	オオサカダイガクニンゲンカガクブシャカイガクニンゲンガクジンルイガクケンキュウシツ
DC.language' scheme='DCTERMS.RFC1766	日本語
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DCTERMS.issued' scheme='DCTERMS.W3CDTF	2000
DC.subject	ドキュメンタリー
	視線
	文化的他者
	テレビ的ヒューマニズム
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	documentary
	look
	cultural others
	televisual humanism
	pleasure in knowing
DCTERMS.abstract	本稿の目的は、女性の社会進出をテーマにした、あるテレビ・ドキュメンタリー番組の制作実践についてのエスノグラフィックな記述から、ドキュメンタリーにおける文化的他者の表象をめぐる視線の政治学について考察を展開することにある。男性中心の職場に進出した女性のイメージはメディアを含めた周囲の人々によってどのように生産・消費されるのか。また、それらが私たちの思考の様式や眼差しの構造といったものの構成にどのように関わっているのかを明らかにする。そこでは、女性を可視化し、差異を強調し、そして類似性のもとに回収する眼差しの作用が論じられる。分析の対象とするのは本稿の筆者がNHK勤務時代(一九九七年) に制作した二八分のドキュメンタリー番組である。まず2節ではドキュメンタリー番組の制作実践を考察することの意義が、人類学やメディア論の知見を参照しながら述べられる。3節では自作の番組を分析することについて観察者の視点の問題が反省的に語られる。そして4節以下で、ディレクターの仕事のおおまかな流れにしたがって実証的分析が展開される。本稿で明らかにされる眼差しの問題は、女性の社会進出というテーマを越えて、個人が差異と類似性を通じて自分自身と文化的他者をどのように見分け、「知る」のかというドキュメンタリー一般の問題へと接続されていく。ドキュメンタリーはパブリックな文化(均質な広がりとして想像される「みんな」「私たち」) の構成と密接に関わっている。本論文によって、文化的他者の矛盾や葛藤を知り、それに共感したいと欲する「私たち」の知をめぐる欲望の様態が明らかになる。
DCTERMS.abstract	Documentary texts are one primary source of encounters with cultural others. Both producers and viewers construct understandings of themselves and others through these encounters. Then they take part in `politics of look'. In this article, I examine, by an ethnographic study of the production of a NHK television documentary, how practices of producing and consuming documentary form contribute to the constitution of ‘public’ culture. Firstly I point out the value of an ethnographic approach to the study of documentary production. Secondly I argue reflexively the limits and possibilities of my examining the documentary which I myself once produced. Finally I provide a detailed description of the documentary production process itself : researching, drafting, shooting and postproduction. Through these examinations, I suggest documentary has a strong effect on our social imagination and sense of cultural identity by providing a `pleasure in knowing'
DC.identifier	10.18910/9041
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citation_title	ドキュメンタリーと知の快楽 : 番組制作実践の考察から
citation_author	丹羽, 美之
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citation_language	英語
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citation_journal_title	年報人間科学
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ドキュメンタリーと知の快楽 : 番組制作実践の考察から

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