三木清の「協同主義」について : 「新日本の思想原理」と「続編―協同主義の哲学基礎」をめぐって

多田, 一夫

共生学ジャーナル, 2023, 7, 216-233

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タイトル
三木清の「協同主義」について : 「新日本の思想原理」と「続編―協同主義の哲学基礎」をめぐって
Research on Corporatism by Kiyoshi Miki : Thinking of New Japan and A Sequel
ミキ　キヨシ　ノ　キョウドウ　シュギ　ニ　ツイテ　シンニホン　ノ　シソウ　ゲンリ　ト　ゾクヘン　キョウドウ　シュギ　ノ　テツガク　キソ　ヲ　メグッテ
著者
著者名
多田, 一夫 ; タダ, カズオ ; Tada, Kazuo
キーワード等
三木清
蓑田胸喜
協同体
形の思想
カンナガラノミチ
内容
研究ノート
抄録
哲学者・三木清が書いたとされる「新日本の思想原理」（1939）および「 新日本の思想原理 続編―協同主義の哲学的基礎 」（1939）の二つの冊子を取り上げ、これを批判した蓑田胸喜の「昭和硏究會の言語魔術」（1940）と突き合せた。三木に対する諸評価を再考する端緒とした。三木は、人が「技術」によって環境に働きかけ、自らが意図した形あるものを作り出すこと、「技術」による創造という「形の思想」によって「協同主義」を基礎づけた。「形の思想」を元に、協同体の在り方を唯物論、観念論、認識論、実在論、有機体説などから検討し、全体主義と自由主義を総合・統一する「協同主義」を見いだした。そこには、共産主義は直接的には入っていない。東洋思想と西洋思想を総合・統一する「協同主義」は、個人と社会・国家、世界、歴史の真の調和をはかるもので、共産主義や唯物論ではなかったし、戦争肯定論でもなかった。蓑田のような一元論者で国体論者からの批判はあるものの、三木を、「転向者」・戦争推進論者とみなしたり、国体破壊論者と評価してしまうわけにはいかない。
出版者
大阪大学大学院人間科学研究科『共⽣学ジャーナル』編集委員会
収録物名
共生学ジャーナル
Journal of Kyosei Studies
巻(号)
7
ページ
216-233
刊行年月
2023-03
言語
日本語
ハンドルURL
https://hdl.handle.net/11094/90820
DOI
https://doi.org/10.18910/90820
eISSN
24326755
アクセス権
open access
出版タイプ
Version of Record
カテゴリ
紀要論文 Departmental Bulletin Paper
共生学ジャーナル / 第7号