初期ベンヤミンにおける「野蛮」の概念

長澤, 麻子; Nagasawa, Asako

doi:https://doi.org/10.18910/9486

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ahs17_219	pdf	なし	1.01 MB	310	2012.09.22

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タイトル	初期ベンヤミンにおける「野蛮」の概念
	Der Begriff ,Barbarei' im früheren Benjamin
	ショキベンヤミンニオケルヤバンノガイネン
著者	NRID 1000030611628 1000030611628 著者名長澤, 麻子 ; Nagasawa, Asako
キーワード等	ヴァルター・ベンヤミン
	カール・シュミット
	「野蛮」
	法
	『暴力批判論』
	Walter Benjamin
	Carl Schmitt
	Barbarei'
	das Recht
	Zur Kritik der Gewalt'
抄録	この論文では、ベンヤミンの近代批判のポイントの一つである「野蛮」の概念をテーマとしている。ベンヤミンの「野蛮」の概念には、経験の貧困化とともに、法秩序によって運命づけられた暴力に支配されていることが露になった近代、という意味の否定的な「野蛮」と、そのような近代こそ、新しい歴史の局面を切り開く破壊的な力が発揮される機会である、という肯定的な「野蛮」が含まれている。ベンヤミンの『暴力批判論』では、この近代における「野蛮」が、近代以前の権力構造がそうであったように、近代法においても神話的暴力が支配的であることから示されている。だが、主権が神話の世界における神々から世俗の君主によって奪われたとき、神々と人間の間に不可侵の境界として定められた法は、その力を失っている。にもかかわらず、この不可侵性を持っているかのごとく振る舞い続ける近代の「野蛮」さこそ、打破されなければならないのである。そのために、神的暴力という革命的な暴力が要請されている。それは必ずしも粗暴な暴力を示すのではなく、洗練された暴力でもある。神的暴力は、不可侵の領域であり、人間にとって決定性を欠くがゆえに非暴力的な領域、すなわち「純粋言語」にこそ、潜んでいる。
出版者	大阪大学人間科学部社会学・人間学・人類学研究室
出版者	オオサカダイガクニンゲンカガクブシャカイガクニンゲンガクジンルイガクケンキュウシツ
収録物名	年報人間科学
収録物名	Annals of human sciences
巻(号)	17
ページ	219-236
刊行年月	1996
言語	日本語
言語	ドイツ語
ハンドルURL	https://hdl.handle.net/11094/9486
DOI	https://doi.org/10.18910/9486
PISSN	02865149
NCID	AN0020011X
アクセス権	open access
出版タイプ	Version of Record
カテゴリ	紀要論文 Departmental Bulletin Paper
カテゴリ	年報人間科学 / 第17号

資源タイプ	紀要論文
ローカル資源タイプ	紀要論文
DCMI資源タイプ	text
DCTERMS.bibliographicCitation	年報人間科学. 1996, 17, p. 219-236
DC.title	初期ベンヤミンにおける「野蛮」の概念
	Der Begriff ,Barbarei' im früheren Benjamin
	ショキベンヤミンニオケルヤバンノガイネン
DC.creator	長澤, 麻子
DC.creator	Nagasawa, Asako
DC.publisher	大阪大学人間科学部社会学・人間学・人類学研究室
DC.publisher	オオサカダイガクニンゲンカガクブシャカイガクニンゲンガクジンルイガクケンキュウシツ
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DC.subject	ヴァルター・ベンヤミン
	カール・シュミット
	「野蛮」
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	Carl Schmitt
	Barbarei'
	das Recht
	Zur Kritik der Gewalt'
DCTERMS.abstract	この論文では、ベンヤミンの近代批判のポイントの一つである「野蛮」の概念をテーマとしている。ベンヤミンの「野蛮」の概念には、経験の貧困化とともに、法秩序によって運命づけられた暴力に支配されていることが露になった近代、という意味の否定的な「野蛮」と、そのような近代こそ、新しい歴史の局面を切り開く破壊的な力が発揮される機会である、という肯定的な「野蛮」が含まれている。ベンヤミンの『暴力批判論』では、この近代における「野蛮」が、近代以前の権力構造がそうであったように、近代法においても神話的暴力が支配的であることから示されている。だが、主権が神話の世界における神々から世俗の君主によって奪われたとき、神々と人間の間に不可侵の境界として定められた法は、その力を失っている。にもかかわらず、この不可侵性を持っているかのごとく振る舞い続ける近代の「野蛮」さこそ、打破されなければならないのである。そのために、神的暴力という革命的な暴力が要請されている。それは必ずしも粗暴な暴力を示すのではなく、洗練された暴力でもある。神的暴力は、不可侵の領域であり、人間にとって決定性を欠くがゆえに非暴力的な領域、すなわち「純粋言語」にこそ、潜んでいる。
DC.identifier	10.18910/9486
DC.format	application/pdf
citation_title	初期ベンヤミンにおける「野蛮」の概念
	Der Begriff ,Barbarei' im früheren Benjamin
	ショキベンヤミンニオケルヤバンノガイネン
citation_author	長澤, 麻子
citation_author	Nagasawa, Asako
citation_publisher	大阪大学人間科学部社会学・人間学・人類学研究室
citation_publisher	オオサカダイガクニンゲンカガクブシャカイガクニンゲンガクジンルイガクケンキュウシツ
citation_language	日本語
citation_language	ドイツ語
citation_date	1996
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citation_doi_detail	10.18910/9486
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