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三井寺(みいでら)

「三井寺」は、子を人買いにさらわれた母親が狂女となって訪れた中秋の三井寺で、稚児となったわが子千満に再会するという内容の能。母親が子ゆえに迷う狂乱の体を、景物として著名な三井寺の月と鐘になぞらえて描く。世阿弥の『申楽談儀』(永享二年〔1430〕)に「鐘の能」とあるのが本作らしい。