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2022-08-12
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https://doi.org/10.18910/7275
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aes05-185
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論文情報
タイトル
非行文化の諸相 : クリフォード R・ショウのモノグラフから
別タイトル
Some Dimensions of Delinquent Culture - An Analysis of Monographs Written by C. Shaw -
タイトル (ヨミ)
ヒコウ ブンカ ノ ショソウ クリフォード R ショウ ノ モノグラフ カラ
著者
玉井, 眞理子
玉井, 眞理子
著者の別表記
Tamai, Mariko
著者 (ヨミ)
タマイ, マリコ
抄録
本論文はクリフォードR・ショウがまとめた代表的なモノグラフである『ジャック・ローラー』、『非行歴の自然誌』、『犯罪における兄弟たち』、『少年非行と都市地域』で明らかにされた非行文化の諸相をとらえ、かれの非行理論を示すことを目的としている。ショウは鳥鰍的な視座と非行少年自身の視座から、都市における非行文化の現象的諸側面を詳細にとらえているけれども、かれの代表的なモノグラフのうちでも、前者に主眼がおかれているのはかれがマッケイとともに書いた『少年非行と都市地域』であり、後者に主眼がおかれているのは、残る3つのいわゆる「生活史三部作」である。まず『少年非行と都市地域』をみると、シカゴの中心部は人口の減少、経済的貧困、移民一世を家長とする家族の集住によって特徴づけられることがわかる。そのシカゴ中心部に非行が集中することが、非行の地理的分布を示すさまざまなマップによって示される。さらに非行が集中する度合は、概して都市中心部から郊外にむかって漸次散逸してゆくけれども、その分布の傾向はシカゴのみならず、他の諸都市でも同様に認められる。次に「生活史三部作」に目を向けるならば、その主たる書き手は7人の少年であり、かれらはいずれも1)都市中心部の非行多発地域に暮らし、2)両親がヨーロッパ農村からの移民一世で、3)累犯者であることで特徴づけられる。そしてかれらが逸脱者のキャリアを選択してゆくうえで、年長の少年からの逸脱的行動への誘いや貧しい家庭環境、また施設の収容経験が少年に与える「逸脱者」の自覚などが作用することがわかる。こうしたデータに基づいて産出される理論は、非行要因を非行下位文化に見出すものである。地域にゆきわたった非遵法的文化が伝達されるために、少年たちは自然と逸脱的な態度を身につけ、逸脱を進化させてゆくのである。つまり子どもたちは「状況の定義」を通して社会的世界に接触しつつ、そこで日常化されている活動への参加を通して逸脱的な態度を形成してゆく。よって非行発生率の分布のばらつきは、社会的価値や行動様式の規範や態度の地域的相違を反映している。要するに非行の要因は地域の文化に内在しているのである。
公開者
大阪大学大学院人間科学研究科教育学系
公開者の別表記
Department of Education Graduate School of Human Sciences, Osaka University
公開者 (ヨミ)
オオサカ ダイガク ダイガクイン ニンゲン カガク ケンキュウカ キョウイクガクケイ
掲載誌名
大阪大学教育学年報
巻
5
開始ページ
185
終了ページ
202
刊行年月
2000-03
ISSN
13419595
NCID
AN1055404X
URL
http://hdl.handle.net/11094/7275
言語
日本語
DOI
info:doi/10.18910/7275
カテゴリ
紀要論文 Departmental Bulletin Paper
大阪大学教育学年報 / Vol.5
論文詳細を表示
著者版フラグ
publisher
NII資源タイプ
紀要論文
ローカル資源タイプ
紀要論文
dcmi資源タイプ
text
DCTERMS.bibliographicCitation
大阪大学教育学年報.5 P.185-P.202
DC.title
非行文化の諸相 : クリフォード R・ショウのモノグラフから
DCTERMS.alternative
Some Dimensions of Delinquent Culture - An Analysis of Monographs Written by C. Shaw -
DC.creator
玉井, 眞理子
DC.creator
Tamai, Mariko
DC.publisher
大阪大学大学院人間科学研究科教育学系
DC.language" scheme="DCTERMS.RFC1766
日本語
DCTERMS.issued" scheme="DCTERMS.W3CDTF
2000-03
DC.identifier" scheme="DCTERMS.URI
http://hdl.handle.net/11094/7275
DCTERMS.abstract
本論文はクリフォードR・ショウがまとめた代表的なモノグラフである『ジャック・ローラー』、『非行歴の自然誌』、『犯罪における兄弟たち』、『少年非行と都市地域』で明らかにされた非行文化の諸相をとらえ、かれの非行理論を示すことを目的としている。ショウは鳥鰍的な視座と非行少年自身の視座から、都市における非行文化の現象的諸側面を詳細にとらえているけれども、かれの代表的なモノグラフのうちでも、前者に主眼がおかれているのはかれがマッケイとともに書いた『少年非行と都市地域』であり、後者に主眼がおかれているのは、残る3つのいわゆる「生活史三部作」である。まず『少年非行と都市地域』をみると、シカゴの中心部は人口の減少、経済的貧困、移民一世を家長とする家族の集住によって特徴づけられることがわかる。そのシカゴ中心部に非行が集中することが、非行の地理的分布を示すさまざまなマップによって示される。さらに非行が集中する度合は、概して都市中心部から郊外にむかって漸次散逸してゆくけれども、その分布の傾向はシカゴのみならず、他の諸都市でも同様に認められる。次に「生活史三部作」に目を向けるならば、その主たる書き手は7人の少年であり、かれらはいずれも1)都市中心部の非行多発地域に暮らし、2)両親がヨーロッパ農村からの移民一世で、3)累犯者であることで特徴づけられる。そしてかれらが逸脱者のキャリアを選択してゆくうえで、年長の少年からの逸脱的行動への誘いや貧しい家庭環境、また施設の収容経験が少年に与える「逸脱者」の自覚などが作用することがわかる。こうしたデータに基づいて産出される理論は、非行要因を非行下位文化に見出すものである。地域にゆきわたった非遵法的文化が伝達されるために、少年たちは自然と逸脱的な態度を身につけ、逸脱を進化させてゆくのである。つまり子どもたちは「状況の定義」を通して社会的世界に接触しつつ、そこで日常化されている活動への参加を通して逸脱的な態度を形成してゆく。よって非行発生率の分布のばらつきは、社会的価値や行動様式の規範や態度の地域的相違を反映している。要するに非行の要因は地域の文化に内在しているのである。
DC.identifier
info:doi/10.18910/7275
citation_title
非行文化の諸相 : クリフォード R・ショウのモノグラフから
citation_author
玉井, 眞理子
citation_publisher
大阪大学大学院人間科学研究科教育学系
citation_language
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citation_date
2000-03
citation_journal_title
大阪大学教育学年報
citation_volume
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citation_firstpage
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citation_lastpage
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citation_issn
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citation_public_url
http://hdl.handle.net/11094/7275
citation_doi
info:doi/10.18910/7275