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野宮(ののみや)

「野宮」は、晩秋に嵯峨野の野宮の旧跡を訪れた諸国一見の僧の前に、かつて斎宮となって伊勢に下る息女につきそって野宮に滞在していたことがある六条御息所の亡霊が現われ。「車争い」や光源氏の来訪などの生前の忘れがたいできごとを追懐する、という内容の能。すべてが終ってしまったあとの寂寥感を濃厚に漂わせている作品で、世阿弥の女婿の金春禅竹(文明2年(1470)ころ没)の作品らしい。