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熊野(ゆや)

「熊野」は、平宗盛の愛妾である熊野が故郷遠江の母親の病気を気遣いつつ、清水寺での宗盛の花見に同道し、花見の酒宴の場では母を気遣うみごとな歌を詠んで、ようやく故郷に帰ることを許される、という筋の作品で、惜春という「観念」と母の病気とい「現実」との拮抗をとおして、惜春という普遍的感情を描いた能。文明2年(1470)ころ没の金春禅竹の作らしい。