「社会学的啓蒙」とは何か : N.ルーマンの時代診断と理論プログラムの接点から

木村, 裕之

doi:https://doi.org/10.18910/9185

Number of Access:552（2024-11-21 18:38 Counts）

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Title	「社会学的啓蒙」とは何か : N.ルーマンの時代診断と理論プログラムの接点から
	Was ist ,,Soziologische Aufklärung"? : Eine Betrachtung über Entscheidungsfähigkeit im Verhältnis zu Niklas Luhmanns Zeitdiagnose und seinem theoretischen Programm
	シャカイガクテキケイモウトワナニカ N ルーマンノジダイシンダントリロンプログラムノセッテンカラ
Creator	CreatorName 木村, 裕之
Subject	社会学的啓蒙
	意味
	信頼
	コミュニケーション・ルーマン
	Soziologosche Aufklärung
	Sinn
	Vertrauen
	Kommunikation
	Luhmann
Abstract	N ・ルーマンは教授就任演説で「社会学的啓蒙」を自分の研究のプログラムに据えた。それは、すべてに人が理性によって制度的媒介なしに正しい状態を作ることができるという前提に疑念を呈するものである。それは現代社会における判断力を問題にしている。前近代社会では伝統によって一元的に社会が規定されていたが、近代以降伝統からまずは経済によって、続いて専門知識の浸透によって切り離された。ギデンズは専門知識が日常に浸透したことが再起的な社会状態を引き起こしたというが、それでは半分である。ルーマンは近代以降の特徴を伝統の減少に代わり、システムへの信頼が形成され、システムが分化して、制度化されていく過程と見ている。単に伝統から切り離されるだけでなく、制度的な発達によって安定した行為が可能になった。また、ルーマンの社会システム論を理論的に見ると意味というメディアを用いてコミュニケーションが行われており、行為は意味に規定されている。システムの形成はその意味が一般化し、それを用いることがある特定の反応を受け手に起こさせる構造によってになわれる。それによって行為者の予期が制度化され、行為者の意志快定の条件となる。このように複雑な社会で行為者は社会的構造条件に規定されており、逆にそれを利用することで行為能力を伸ばしているのである。社会学は当初からそうした行為の社会条件を問題にしているということができる。
Publisher	大阪大学人間科学部社会学・人間学・人類学研究室
Publisher	オオサカダイガクニンゲンカガクブシャカイガクニンゲンガクジンルイガクケンキュウシツ
Source Title	年報人間科学
Source Title	Annals of human sciences
Volume (Issue)	21
Page	333-349
Date of Issued	2000
Language	Japanese
Language	German
Handle URL	https://hdl.handle.net/11094/9185
DOI	https://doi.org/10.18910/9185
PISSN	02865149
NCID	AN0020011X
Access Rights	open access
oaire:version	Version of Record
Category	紀要論文 Departmental Bulletin Paper
Category	Annals of HUMAN SCIENCES / Vol.21

Resource Type	departmental bulletin paper
Local Type	Departmental Bulletin Paper
DCMI Type	Text
DCTERMS.bibliographicCitation	年報人間科学. 2000, 21, p. 333-349
DC.title	「社会学的啓蒙」とは何か : N.ルーマンの時代診断と理論プログラムの接点から
	Was ist ,,Soziologische Aufklärung"? : Eine Betrachtung über Entscheidungsfähigkeit im Verhältnis zu Niklas Luhmanns Zeitdiagnose und seinem theoretischen Programm
	シャカイガクテキケイモウトワナニカ N ルーマンノジダイシンダントリロンプログラムノセッテンカラ
DC.creator	木村, 裕之
DC.publisher	大阪大学人間科学部社会学・人間学・人類学研究室
DC.publisher	オオサカダイガクニンゲンカガクブシャカイガクニンゲンガクジンルイガクケンキュウシツ
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	Kommunikation
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DCTERMS.abstract	N ・ルーマンは教授就任演説で「社会学的啓蒙」を自分の研究のプログラムに据えた。それは、すべてに人が理性によって制度的媒介なしに正しい状態を作ることができるという前提に疑念を呈するものである。それは現代社会における判断力を問題にしている。前近代社会では伝統によって一元的に社会が規定されていたが、近代以降伝統からまずは経済によって、続いて専門知識の浸透によって切り離された。ギデンズは専門知識が日常に浸透したことが再起的な社会状態を引き起こしたというが、それでは半分である。ルーマンは近代以降の特徴を伝統の減少に代わり、システムへの信頼が形成され、システムが分化して、制度化されていく過程と見ている。単に伝統から切り離されるだけでなく、制度的な発達によって安定した行為が可能になった。また、ルーマンの社会システム論を理論的に見ると意味というメディアを用いてコミュニケーションが行われており、行為は意味に規定されている。システムの形成はその意味が一般化し、それを用いることがある特定の反応を受け手に起こさせる構造によってになわれる。それによって行為者の予期が制度化され、行為者の意志快定の条件となる。このように複雑な社会で行為者は社会的構造条件に規定されており、逆にそれを利用することで行為能力を伸ばしているのである。社会学は当初からそうした行為の社会条件を問題にしているということができる。
DC.identifier	10.18910/9185
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citation_title	「社会学的啓蒙」とは何か : N.ルーマンの時代診断と理論プログラムの接点から
citation_author	木村, 裕之
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citation_doi_detail	10.18910/9185
citation_doi	https://doi.org/10.18910/9185

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